「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」
13歳を迎えた少女キキは、一人前の魔女になるため満月の夜に旅立つ。
ほうきにまたがり、相棒の黒猫のジジと魔女のいない町へと飛び立つのであった。
スタジオジブリが制作した『魔女の宅急便』である。
この作品は元々ジブリが企画・制作した作品ではなく、グループ風土舎という会社が企画し、「宅急便」の登録商標を持つヤマト運輸にスポンサー要請したことから始まった。
ヤマト運輸は、当初乗り気ではなかったが、作品に同社のトレードマークである黒猫が登場することからスポンサーを了承する。
風土舎とヤマト運輸は、電通を通じて徳間書店からスタジオジブリに制作を依頼することになった。
というわけで、宮崎駿のアイデアから企画した作品でもないし、当初は宮崎駿自身が監督する予定でもなかった。
企画した風土舎は、宮崎駿か高畑勲の監督を望んだが、となりのトトロ、火垂るの墓の制作が始まったばかりなので、若手有望株に作品を作らせ、宮崎駿はプロデューサーとして関わることとなっていた。
脚本は、私をスキーに連れてってなどの脚本を手掛けた一色伸幸が採用されたが、書き上げたシナリオが作品にそぐわないといった理由からとなりのトトロの制作を終えた宮崎駿が引き継ぐこととなった。
さらにスポンサーの意向を考慮し、結局は宮崎駿が監督も引き受ける形となる。
こういう訳で、当初から企画・制作した作品ではないので、制作期間も短く、宮崎駿が作品の世界を広げたことから、中編作品から長編作品になり、宮崎駿も時間的な余裕がなくなり、作画チェックは他のメンバに任せ、音楽演出も高畑勲が行うこととなった。
とはいえ、宮崎駿の作品である。こだわってしか作れないわけで、ストックホルムやスコットランドをロケハンし、その他個人的な旅行先の風景を織り交ぜて、あの街並みを作り上げたそうだ。
ヨーロッパであるには違いないが、イタリアでもなければスウェーデンでもない宮崎駿が描く世界が描かれていた。
黒い洋服に大きな赤いリボンのキキと黒猫のジジのキャラクター・デザインは秀逸だと思う。明るい街並みとのコントラストや主人公キキが一人前の魔女へと成長する過程と考えると少女が成長していく段階の姿にとても相応しいのではなかろうか。
最終的な興行成績は、『となりのトトロ』の3倍にも達したそうだ。
この作品の成功には、ユーミンの曲の採用もあった。
映画では、「ルージュの伝言」と「やさしさに包まれたなら」の2曲が使われているが、作品にマッチし、魔法のほうきで空を駆ける爽快感にも通じ、とても良い雰囲気を出していた。
私は、このジジという猫のキャラクターが大好きだ。
大きな目玉に真っ黒な体。
すましていても、少しおとぼけ。
なんとも可愛げのあるネコちゃんである。
|
感想:1件
|
0 件のコメント:
コメントを投稿