


コクーンという映画。
SF作品だが、他の作品と少し違ったSFだ。
まず、主人公は老人たち。
養老院で暮らす老人と宇宙人との交流が軸になっている。
ヒューム・クローニン、ドン・アメチー、ジェシカ・タンディといった名優たちが主役である。
宇宙人に雇われるクルーズ船の船長が、ポリス・アカデミーでブレークしたスティーブ・グッテンバーグ。
良い役なのだが、彼は主役ではない。
あらすじは、こんな感じ。
場所は、フロリダの老人ホーム。
ベン(ウィルフォード・ブリムリー)、アート(ドン・アメチー)、ジョー(ヒューム・クローニン)の3人が余生を暮らしていた。
3人は、近くの空き家の別荘に忍び込み、プールで泳ぐことを楽しみにしていた。
ある日ウォルター(ブライアン・デネヒー)という男性が、別荘を借りてしまい、ささやかな楽しみが終わってしまう。
ウォルターは、クルーズ船で生計を立てて暮らすジャック(スティーブ・グッテンバーグ)に仕事を依頼する。
数日間、高額でクルーズ船を貸し切りたいといったジャックにとって本当にありがたい話であった。
ジャックは、喜んでウォルターの仕事を引き受けるのであった。
ウォルターと彼の仲間達は、海底から大きな繭の形をした物体を引き上げ続けた。
ウォルターの仲間であるキティ(ターニー・ウェルチ)は、若く魅力的な女性でジャックは彼女に惹かれてしまう。
ジャックは、彼女の船室をのぞいた時、彼女が地球の人間ではないことを知る。
ウォルターやキティ達は、アンタレス星からやって来た宇宙人で、アトランティス大陸が沈んだ時に取り残された仲間を助けるために地球へやって来たのであった。
ウォルターが借りた別荘もそのプールも仲間を救うために必要だったのである。
ある日、ベン、アート、ジョーの3人組は、プールが忘れられず、また別荘に忍び込むのだが、プールには大きな繭がいくつも沈んでいた。
気にせず泳いでいると、不思議なことに彼らは力がみなぎり、若返りを感じるのであった。
このプールの水は、繭の中にいる仲間を救うための生命力に溢れた水であった。
ウォルターが戻って来て、ベン達は見つかるのだが、ウォルターは大勢の人間は連れてこない条件でプールの使用を許した。
若さを取り戻したベン達は、妻や彼女をプールに誘って、若さを謳歌する。
ベンは取り戻した若さを楽しむあまり、長年連れ添ったアルマ(ジェシカ・タンディ)をほっぽらかして、遊びに繰り出すのであった。
アートは病身の妻を持つバーニー(ジャック・ギルフォード)にプールのことを打ち明けるのだが、不審がって耳を貸さなかった。
バーニーは、アートと口論となり若返りの泉のことを口走ってしまう。
それを耳にした老人たちは、ベン達の若返りの秘密を知り、我先にとプールに飛び込んでしまう。
3人の制止を聞かず、プールに飛び込んだ老人たちは、沈んでいた繭をプールから出して叩いたりやりたい放題になってしまう。
そこに帰って来たウォルターは激怒し、老人たちを追い払った。
老人たちのせいで、プールの水は生命力を失い、プールから出された繭の中の仲間は、命を失う。
不老不死のアンタレス星人にとって死を感じるのは初めてのことで、仲間の死にウォルターは、涙を流す。
ベンたちはウォルターに謝るのだが、その他の繭の中の仲間もこのままでは、アンタレスに帰るまで持たないと話すのであった。
その夜、妻を亡くしたバーニーは妻を抱かえてプールを訪れるのだが、ウォルターから命を失った者は助けられないことを告げる。
このままでは、命を失う仲間を救うため、ベンたちはウォルターに協力し、再び繭を海に戻すこととなる。
ウォルターはベンたちに自分たちといっしょに来ないかと誘う。
宇宙船には老人ホームの老人たちを乗せる余裕があることを告げる。
ベンには一つだけ思い残すことがあった。
可愛い孫のデビッドのことだ。
ベンは、デビッドに真実を告げ、別れを惜しんだ。
デビッドは、そのことを母親に話してしまう。
慌てて、老人ホームに向かうのだが、ホームには誰もいなかった。
警察と桟橋に向かうが、老人たちは宇宙船に乗って新たな世界に旅立つ。
桟橋では、妻を亡くしたバーニーが彼らを見送るのであった。
芸達者な老優たちが、若さを取り戻し、夜の街へ遊びに繰り出し、ブレークダンスまで踊ってしまうくだりは、見ていて面白い。
ドン・アメチーは、エディ・マーフィーと共演した『大逆転』でも、エディ・マーフィーやダン・エイクロイドをもてあそぶケチの金持ち兄弟を演じて、中々良い味を出していた。
ブロードウェイでも活躍した名優だ。
ヒューム・クローニンも古くから活躍していた名優で妻役のこれまた名優のジェシカ・タンディとは、私生活でも夫婦である。
宇宙を舞台にした戦争もなければ、モンスターが登場するわけでもない。
誰にも避けることの出来ない老いや別れをテーマとしたハートフルなお話である。
続編では、アンタレスへと旅だった老人たちが、ウォルターと地球に戻って来て、残していった繭の中の仲間を救うというお話へと続く。
登場するキャストも前作と同じで、こちらも中々楽しい作品に仕上がっていた。
1作目は、アポロ13のロン・ハワード、2作目は、ベッツィーのダニエル・ペトリである。
ダニエル・ペトリは前作の世界観を崩さず上手くまとめたと思う。
お勧めの2作品だ。