そ    の    も  ゆ   る      ぞ  ぢ づ    

2017年8月19日土曜日

ピカチュウ


ピカチュウ!

アニメ・ゲームの世界でのビッグネームだ。
ご存知のポケット・モンスターのキャラクターの中でもその可愛らしさから大人気になったポケモンである。
名前の由来は説明するほどのことでもないが、光が弾けるピカッというオンとネズミの仲間だということからピカチュウとなった。
名前はごくごく平凡であるが、ピカチュウが特別だということは海外版の扱いにある。
他のポケモンは、海外でも同じ名前かと言えばそうではなく、その国々に合わせた名前になっているが、ピカチュウだけはどの国に行ってもピカチュウと発音する。
ちなみに皆さんはご存じかどうかは知らないが、あの赤いほっぺは「でんきぶくろ」と言われる電気を貯めておく袋なんだとか。
世の中にあふれているポケモングッズは数えきれないほどである。
ポケモンGOが復興支援で岩手県、宮城県、福島県にラプラスの出現率を向上したことで経済効果が約20億円あったそうでだから、ポケモンのキャラクター単独でどの程度の影響があるか正確には掴みにくいが、航空会社のラッピングや各地とのコラボ、数多ある製品のキャラクター使用、出版物等々を考えるとすごい数字だと思う。
億では済まないのは間違いなく、数千にとどいているのかもしれない。

それにしてもよくできたデザインだ。
黄色と黒と赤、丸いフォルムに可愛い顔、そのシンプルで何とも言えない可愛さが、これだけ人気を得たのは驚異的だ。




藤沢周平



最近の時代劇は藤沢周平の原作が多く、ヒット作もこれまた多い。

  • たそがれ清兵衛(2002年)、監督:山田洋次、主演:真田広之、宮沢りえ 
  • 隠し剣 鬼の爪(2004年)監督:山田洋次、主演:永瀬正敏、松たか子
  • 蝉しぐれ(2005年)監督:黒土三男、主演:市川染五郎、木村佳乃
  • 武士の一分(2006年)監督:山田洋次、主演:木村拓哉、檀れい
  • 山桜(2008年)監督:篠原哲雄、主演:田中麗奈、東山紀之、
  • 必死剣 鳥刺し(2010年)監督:平山秀幸、主演:豊川悦司、池脇千鶴
  • 花のあと(2010年)監督:中西健二、主演:北川景子
  • 小川の辺(2011年) 監督:篠原哲雄、主演:東山紀之、菊地凛子

皆さんご存知の通り、きっかけは山田洋次の『たそがれ清兵衛』である。
これに続き、山田洋次は、『隠し剣 鬼の爪』、『武士の一分』と計3作を監督した。
藤沢周平の作品は、舞台は江戸時代、庶民や下級武士を主人公としたそういった人たちの哀歓を描いた作品が多い。
どの作品も見ていただければ分かるとおり、夫婦愛、男女の愛情を軸とした人間ドラマを描いており、時代劇の見せ場であるチャンバラだけではない奥行きの深い作品に仕上がっている。
そういう作品だからこそ、山田洋次など多くの監督が映画化したのであろう。

キムタクの『武士の一分』が最もヒットしたとは思うが、この中では、『隠し剣 鬼の爪』と『必死剣 鳥刺し』が好きだ。
鬼の爪では、主人公の永瀬正敏が、世間体も気にせず長年一緒に暮らした使用人の娘である松たか子を守る姿が素晴らしく、武士の世界の非情さに嫌気がさし、秘伝の鬼の爪を使うあたりが見どころだ。
この作品の悪役である緒方拳がまた良い味を出していた。
必死剣のトヨエツもまた寡黙で男らしく、善良な村人や理不尽な扱いを受ける藩士の苦難から殿様の側室を殺める。
当然、死罪を言いつけられると思いきや、1年間の閉門・謹慎を命じられるのだが、悪い中老の策略に利用され、自らも理不尽な仕打ちを受ける。
このストイックな部分と、亡き妻の血縁の姪との関係がまた哀しみを膨らませる。
映画後半の吉川晃司との気迫のこもった殺陣が素晴らしい。

2017年8月14日月曜日

コクーン



コクーンという映画。
SF作品だが、他の作品と少し違ったSFだ。
まず、主人公は老人たち。
養老院で暮らす老人と宇宙人との交流が軸になっている。
ヒューム・クローニン、ドン・アメチー、ジェシカ・タンディといった名優たちが主役である。
宇宙人に雇われるクルーズ船の船長が、ポリス・アカデミーでブレークしたスティーブ・グッテンバーグ。
良い役なのだが、彼は主役ではない。
あらすじは、こんな感じ。

場所は、フロリダの老人ホーム。
ベン(ウィルフォード・ブリムリー)、アート(ドン・アメチー)、ジョー(ヒューム・クローニン)の3人が余生を暮らしていた。
3人は、近くの空き家の別荘に忍び込み、プールで泳ぐことを楽しみにしていた。
ある日ウォルター(ブライアン・デネヒー)という男性が、別荘を借りてしまい、ささやかな楽しみが終わってしまう。
ウォルターは、クルーズ船で生計を立てて暮らすジャック(スティーブ・グッテンバーグ)に仕事を依頼する。
数日間、高額でクルーズ船を貸し切りたいといったジャックにとって本当にありがたい話であった。
ジャックは、喜んでウォルターの仕事を引き受けるのであった。
ウォルターと彼の仲間達は、海底から大きな繭の形をした物体を引き上げ続けた。
ウォルターの仲間であるキティ(ターニー・ウェルチ)は、若く魅力的な女性でジャックは彼女に惹かれてしまう。
ジャックは、彼女の船室をのぞいた時、彼女が地球の人間ではないことを知る。
ウォルターやキティ達は、アンタレス星からやって来た宇宙人で、アトランティス大陸が沈んだ時に取り残された仲間を助けるために地球へやって来たのであった。
ウォルターが借りた別荘もそのプールも仲間を救うために必要だったのである。
ある日、ベン、アート、ジョーの3人組は、プールが忘れられず、また別荘に忍び込むのだが、プールには大きな繭がいくつも沈んでいた。
気にせず泳いでいると、不思議なことに彼らは力がみなぎり、若返りを感じるのであった。
このプールの水は、繭の中にいる仲間を救うための生命力に溢れた水であった。
ウォルターが戻って来て、ベン達は見つかるのだが、ウォルターは大勢の人間は連れてこない条件でプールの使用を許した。
若さを取り戻したベン達は、妻や彼女をプールに誘って、若さを謳歌する。
ベンは取り戻した若さを楽しむあまり、長年連れ添ったアルマ(ジェシカ・タンディ)をほっぽらかして、遊びに繰り出すのであった。
アートは病身の妻を持つバーニー(ジャック・ギルフォード)にプールのことを打ち明けるのだが、不審がって耳を貸さなかった。
バーニーは、アートと口論となり若返りの泉のことを口走ってしまう。
それを耳にした老人たちは、ベン達の若返りの秘密を知り、我先にとプールに飛び込んでしまう。
3人の制止を聞かず、プールに飛び込んだ老人たちは、沈んでいた繭をプールから出して叩いたりやりたい放題になってしまう。
そこに帰って来たウォルターは激怒し、老人たちを追い払った。
老人たちのせいで、プールの水は生命力を失い、プールから出された繭の中の仲間は、命を失う。
不老不死のアンタレス星人にとって死を感じるのは初めてのことで、仲間の死にウォルターは、涙を流す。
ベンたちはウォルターに謝るのだが、その他の繭の中の仲間もこのままでは、アンタレスに帰るまで持たないと話すのであった。
その夜、妻を亡くしたバーニーは妻を抱かえてプールを訪れるのだが、ウォルターから命を失った者は助けられないことを告げる。
このままでは、命を失う仲間を救うため、ベンたちはウォルターに協力し、再び繭を海に戻すこととなる。
ウォルターはベンたちに自分たちといっしょに来ないかと誘う。
宇宙船には老人ホームの老人たちを乗せる余裕があることを告げる。
ベンには一つだけ思い残すことがあった。
可愛い孫のデビッドのことだ。
ベンは、デビッドに真実を告げ、別れを惜しんだ。
デビッドは、そのことを母親に話してしまう。
慌てて、老人ホームに向かうのだが、ホームには誰もいなかった。
警察と桟橋に向かうが、老人たちは宇宙船に乗って新たな世界に旅立つ。
桟橋では、妻を亡くしたバーニーが彼らを見送るのであった。

芸達者な老優たちが、若さを取り戻し、夜の街へ遊びに繰り出し、ブレークダンスまで踊ってしまうくだりは、見ていて面白い。
ドン・アメチーは、エディ・マーフィーと共演した『大逆転』でも、エディ・マーフィーやダン・エイクロイドをもてあそぶケチの金持ち兄弟を演じて、中々良い味を出していた。
ブロードウェイでも活躍した名優だ。
ヒューム・クローニンも古くから活躍していた名優で妻役のこれまた名優のジェシカ・タンディとは、私生活でも夫婦である。
宇宙を舞台にした戦争もなければ、モンスターが登場するわけでもない。
誰にも避けることの出来ない老いや別れをテーマとしたハートフルなお話である。

続編では、アンタレスへと旅だった老人たちが、ウォルターと地球に戻って来て、残していった繭の中の仲間を救うというお話へと続く。
登場するキャストも前作と同じで、こちらも中々楽しい作品に仕上がっていた。
1作目は、アポロ13のロン・ハワード、2作目は、ベッツィーのダニエル・ペトリである。
ダニエル・ペトリは前作の世界観を崩さず上手くまとめたと思う。
お勧めの2作品だ。

2017年8月12日土曜日

名優

名優というのは、スターでもあるが、スターという枠でははまらない。
例えば、ポール・ニューマン。
明日に向かって撃て、ハスラーなど数々の名作に出演している。
演技も秀逸で存在感もあり、他の役者が比肩出来ないオーラがある。
正真正銘のスターだが、それが強すぎて、名優と呼ばれない。
皮肉なものだが、そう思う。
アラン・ドロン、ロバート・レッドフォード、スティーブ・マックイーン、皆スターであるが故に素晴らしい演技をしてもまず先に立つのはスターということだ。

表現が難しいが、独特のクセが必要だ。
毎回、違うというのも大切だ。
スティーブ・マックイーンは、常にマックイーンだ。
ドロンはドロン。レッドフォードはレッドフォードだ。観てる側もそれを望んでいる。
スターだからだ。

私が名優と思うのは、名前をあげるとこんな感じだ。
マイケル・ケイン、ロバート・デ・ニーロ、ジーン・ハックマン、ウィレム・デフォー、ケヴィン・ベーコンなどなど。
毎回違う役を演じ、圧倒的な存在感と迫力がある。
強烈な悪役も演じれば、素晴らしい人間性のある人物も演じる。
まさに、役者やのうという感じだ。
カメレオンのように役を演じ分ける技術は凄い。
デ・ニーロは、ゴッドファーザーにもなれば、ザ・ファンの偏執狂、刑事も演じれば、マイ・インターンの心優しい初老の男性も演じる。
ケヴィン・ベーコンも精神的に問題を抱える人物もやれば、凶悪犯も演じるし、挙げ句の果ては透明人間になるマッド・サイエンティストも演じる。
マイケル・ケインは、予定とギャラが合えば、作品を選ばない。
世紀の駄作と言われるポセイドン・アドベンチャー2にも出演するが、大作にも出演する。
常に違うが、常にマイケル・ケインであり、デ・ニーロなのだ。
スターと名優、どちらが良いという話ではなく、そういうものなんだろう。

涙が出る

歳のせいなのか、生まれつきなのか、テレビを観ていても、映画を観ても不意に涙が溢れることがある。
分かりやすい例で言うと、初めてのおつかい。
純真無垢な小さな子供が、一生懸命にお使いを成し遂げる健気な姿を観ていると、思わず目頭が熱くなる。
番組の後半にもなると涙と鼻水でズルズルになっている。
動物のドキュメンタリーを観ても、子供達の30人31脚を観ても、感動のあまり涙が溢れでる。
泣くことはストレス発散に良いと言うが、それにしても我ながら泣きすぎだ。
50歳代半ばにして、何を泣いているのだ。
これまで、映画でも何回泣いたことか。
定番は、子供だ不治の病にかかって亡くなる映画だ。
こんな映画が代表格だ。

◆天使の詩

母親はすでに亡くなっていて、男の子の二人兄と父親の生活。父親は病弱な弟に甘く、兄には厳しく接してしまう。しかし、兄とはいえ、まだまだ父親に甘えたい年頃。
すれ違いや誤解から、父親は自分を愛していないと思い込んでしまう。
そんな時、少年はぶら下がった木が折れ、瀕死の重傷を追ってしまう。
死の間際、父親は少年が父親に受け入れてもらえぬ寂しさ、父親に嫌われていると思い込んでいた事実を知る。
後悔先に立たずで、悲しみの中、少年は天国に召される。
なんとも可哀想な少年と父親の悲劇を描いていた。
イタリア語のセリフが入ったサウンドトラックを聞くと涙が浮かぶ。
名優アンソニー・クエイルの作品だ。
後年、ジーン・ハックマンがホワイト・ローズという作品でリメイクした。
原題は『誤解』
悲しい誤解だ。

◆メリーゴーランド

そばかす顔のレナート・チェスティが主演の少年。
天使の詩と同じく、幼くして美しい母親が亡くなり、父親二人で暮らしている。
少年は、父親を愛しているが、父親は仕事に追われ、少年との時間が持てず、友人に少年の世話を頼んでしまう。
父親は、若い美しい女性と知り合い、少年に紹介するのだが、父親を取られる気持ちから、素直に少年は喜べない。
やがて、父親も息子との時間を充分に取れていなかったことに気づき、雪山へのバケーションを計画する。
しかし、楽しいはずのバケーションで事故が起こる。
少年は、コースを離れ大怪我をし、取り返しのつかない状況に。
命の灯火が尽きようとした晩、少年の願いを聞き、誰もいない遊園地のメリーゴーランドに乗る親子。
父親の腕の中で天国に旅立つ少年。
天使の詩と同様に父親が気づいた時は、すでに時遅しという悲劇だ。

◆クリスマスツリー

父親の後悔は尽きることはない。
本作は、父親役にウィリアム・ホールデンが演じ、ホールデンに使える家族ともいえる人物をフランスの名優ブールビルが演じた。
久し振りに再開した息子と海水浴を楽しんでいた時、核爆弾を輸送していた飛行機が事故を起こすのだが、水中に潜っていたホールデンは難を逃れ、水面にいた息子が被爆し、白血病を患う。
息子との時間を大事にしていなかったことを悔い、少年の思うことを全て叶えようとする。
挙げ句の果ては、息子の望みを叶えるため、動物園にブールビルと忍び込み、狼をさらってくる。
しかし、日を追うごとに少年の容体は悪化し、クリスマスの夜に少年は天国へと旅立つ。
やっぱり、後悔先に立たずという結末だ。
悲劇は、いつもこうなのか。
息子と父親の悲しいお話は、涙を誘うものである。